漱石先生が見た英国の冬空

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昨年12月(先月)下旬、
日本で働くイギリス人と話をしました。

クリスマスや新年を自国で過ごすのかと思いきや、
帰省しないという事でした。

その理由は、曇り空。

故郷の冬の天気は、
ペールグレーの雲が
空に膜を張った様に陽の光を遮り、
うすぼんやりした曇天だそうです。

その人はそれが嫌だと言っていました。

イギリス人なら
そんな曇り空に慣れているかと思いきや、
嗚呼、人の気持ちは万国共通。
慣れと好みは違うワケです。

そして、慣れている人でも
ウツウツとする曇天。
慣れぬ者には尚の事です。

120年前、
イギリスはロンドンへ
2年間の留学を命ぜられた日本人がいました。
夏目漱石です。

漱石の留学生活が楽しいものでは無かった
というのは有名で、
その一つに曇りがちな天候もあると
言われていますね。

以前は霧のロンドン、と
ロマンティックな言い方をされていましたが
実はそれ、産業革命後の
工場のスモッグだったと
昨今は言われてます。

気持ちだけで無く、
知らず知らず身体に悪影響が
あったやもです。

漱石が命ぜられた
留学の目的とは
イギリスの文学についての勉強で、
漱石は現地で随分と励んだ様です。

しかし私はこの留学、
日本政府の下手が見えます。

勉強ならば日本で出来た筈です。

現地で選んだ書物を日本へ送り、帰国後
それを読んでも良かったのではないでしょうか。

教授されたい人物がいたなら
その人を日本へ呼べば多くの人が
話を聴けたと思うのですが。。。。

イギリス滞在を1年にし、
その間は現地の歳事体験や買い付け等に
時間とお金を使った方が良かったのでは?

当時のイギリスの物価に
漱石の留学生活費は充分では無かった様ですから。


さて、
没後約100年経った今の世界を
漱石先生が見たらどう思うでしょうか?

日本の変わり様にはきっと驚くでしょう。
しかも自分がお札の顔になっていると知ったら
何と言うでしょうか?

世の中随分変わりました。

けれど、先生、
イギリスの冬は
今も曇天の様です。


……それでは今日はこの辺で。
またブログでお会いしましょう✨

   夏の真昼

本日のBGM :ビートルズLove Me Do

小説『フーガ遁走曲~白薔薇婦人が愛した庭~』
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