ゴーギャンはノアノア

f:id:ww77natsuno:20190928013509j:plain
19世紀のフランスの画家
ポール・ゴーギャン
タヒチの女性達を描いた絵で有名ですが、
ゴッホと一時、
共同生活をしていた
というエピソードも有名です。

ゴッホは《炎の画家》と呼ばれ
ヒマワリの絵は有名ですが、
作品に加えて
その激しい人柄や劇的な生涯にも
スポットが当てられ、語られています。

だからそれを知る人は
ゴッホの人生、大変だったね」と、
感想を持ってますよね。

それで作品を観る時も
「何かちょっと暗い感じだよね」とか、
「ヒマワリの絵が○億円!?
生きてる内に売れていたらね……」等と
作者の人生を重ねてしまうんですよね。

作品自体を純粋に楽しめ無いから、
「作者の人生、知らなきゃ良かった」
なんて思ったりもします。

私がゴーギャンの絵を初めて観たのは
小学生の時でした。

大きな作品で、
色彩豊かな南国らしさが有り、
好きな感じの絵だった。
作者の人柄は知らなかったので
絵だけを楽しめて良かった。

ゴーギャンの作品に
『我々はどこから来たのか。
我々は何者か。
 我々はどこへ行くのか』
という題のものがある。
人の一生の縮図の様な絵で、私は好き。
色合いもキレイ。

それで、
良いと思う作品の作者に興味を持つのは
人のサガ……か。
私はゴーギャンについても、
その人生を知ってしまった。

ゴッホ同様、ゴーギャン
その人生は非凡であるという事なのか、
映画、ドラマ、小説にもなっている。

小説は、
サマセット・モームの『月と6ペンス』が有名。
ゴーギャン自身の随筆、
『ノアノア』も出版されている。
どちらも文庫があり
薄くて読みやすい。

記憶を頼りにザックリ説明すると、
ゴーギャンは30代の時
それ迄勤めていた仕事を突然辞めた。
仕事(金融系)は安定していて
暮らしは裕福な方で
妻子もいたが、
「今まで家族の為に働いてきた。
これからは自分のやりたい事をやる」
という様な事を言って
財産を妻子に渡し、家を出た。
そして画家宣言をして、
タヒチで絵を描いた。

…………この話を知った時、20代だった私は
『えっ!?そんな突然、困っちゃうよ』
と家族は思うだろうなという感想だった。

タヒチに渡り、精力的に絵を描いた。
これがゴーギャン
本当にやりたかった事で有るのは
作品を見れば明らかで有る。

…………力作、名作を作り出されちゃうと
『情熱は本物だったんですね』と
こちらも思うわけですよ。。。。

いわゆる現地妻もいたんですが、
それはその娘の親から所望された様です。

…………私としては、
ゴーギャンっていう人を
 好きとは言え無いけれど、
 分かる部分も有る』って事で、
エゴ?なのか?
う~ん、エゴイストとは言え無い。
という感想なんですよ。。。。

晩年ゴーギャンはフランスに帰りたかったが、
画商から
『貴方はタヒチという遠方にいるから
 人々から珍重される』ってな事を言われ、
帰る事が出来なかった。
ゴーギャンは54才で亡くなった。

ゴーギャンの随筆タイトル
《ノアノア》は《かぐわしい香り》
という意味のタヒチ語だそうです。

………ゴーギャンの人生はドラマチックだったか?
それはオジサンのエゴなのか?
やりたい事への熱情を抑えるべきだったのか?
タヒチでは我が世の春《ノアノア》を感じたのか?
正しかったか否かで
話を着けるものでも無いし。。。。

ただ、
もしゴーギャンが定年まで勤め上げて、
それからタヒチに行ったら
同じ絵は描けなかっただろう。
それはゴーギャン自身が一番感じていた筈。

ゴーギャンは、その熱情を
一度きりの人生に賭けた。

だから作品からは香り立つ様な
現地の花の瑞々しさを、
観る側に感じさせるのかも知れない。。。。

う~ん、やっぱり
作者の事を知ると、
作品を観る時メンドウだなぁ~。

話は変わるが
今、東京の森アーツセンターギャラリーで
バスキア展》が開催中。
今、日本でバスキアの絵が観られるなんて
ハッピーだ。
バスキアの絵を123億円で落札してくれた
ZOZO の前社長の前澤氏のおかげなのか!

バスキア
80年代のアメリ
モダンアートの画家で、
早世の天才と言われている。

王冠マーク、キングが
彼のトレードマーク、キーワードだ。

アメリカの80年代という時代の
若者だったからこその
エネルギッシュな作品でパンチがある!

あぁ、やっぱり作品と作者を
切り離せないのか?
作品と時代も然りだ。

80年代と言えば、
グラフィック・アートの
キース・へリングがいる。
バスキアが影響を受けたらしい。
日本(横浜)にはロコ・サトシがいた。
桜木町のウォールアートは
当時の時代が生んだ作品だと思う。

印象派も当時のモダンアートだ。

う~ん!なるほど!
芸術は爆発だ!》

芸術は爆発だ!」この言葉は
太陽の塔》でも有名な
岡本太郎氏の言葉だ。

氏のパッション有る作品や人柄からか
この言葉の意味を、
芸術とは過激なものだ、と捉えられがちだが
真意は違う。

氏が語っているのを聴いた事があるが、
「芸術とは、胸の内に有る想い、
それがぐっぐっと湧き上がり、
外へと出されて行くものだ」
という感じの意味だった。

それは正に、画家達が描かずに居られね事。
ゴーギャンの絵もバスキアの絵も
間違いは無い!!

……それでは今日はこの辺で
またブログでお会いしましょう✨

   夏の真昼

本日のBGM:山下久美子『アニマ・アニムス』

ご意見、ご感想をお寄せください。