冥土のみやげ

f:id:ww77natsuno:20190712015403j:plain
生まれた者の宿命として、
人は誰しも皆いつかは亡くなる。
人間の死亡率は100%なのである。

亡くなったら死後の世界へ行くとされている。
死後の世界……あの世、天国、地獄、冥界……。
「冥土の土産に○○しよう」と言うセリフを
時代劇等でお年寄りが言っているのを聞いた事があると思う。

《冥土の土産》とは?一応辞書で調べてみたら、
[冥土へ行く際に持参する土産。それを手に入れて初めて安心して死ねるような事物をいう]
[死んであの世に持って行くための楽しい思い出にする]
という意味だそうだが、
[死ぬ前に(思いきって)○○という経験をしておこう]
という意味あいでも使っていると思う。

死んでしまったら何も出来ない。
[何かやるなら生きている内だ]という事だ。

「経験こそが財産」とも言われている。

人間、いつ死んでしまうかもしれないから
悔いの残らぬように
出来る(やりたい)事は先送りにせず
やっておこう
という考え方は良いと思う。

《光陰矢の如し》《時間は命》である。

でも、やりたい事をやるにも
お金がかかる事も多々ある。

そもそも、生きていくのにはお金が必要だ。
「老後に二千万円必要です」と、軽く言われてしまっている日本国民。

『じゃあ、死んだ方が楽』と早まってはいけない!
死んでもお金はかかるからだ。
三途の川の渡り賃として《六文銭》必要らしい。
六文と言うのは昔の貨幣だから、
今の時代で一文がいくらになるのか?
しかもあの世とこの世の理屈が同じかどうかはわからない。
だから単純に六文を今の金額に換算して……とは行かないかもしれない。


今話題の実写映画『アラジン』の原作が入っている
千夜一夜物語』をご存知でしょうか?
確か『千夜一夜物語』というのは、
どこかのお姫様が悪者(怪獣みたいなもの)に捕らえられてしまい、
「お前を殺す~」と言われたので
「面白い話をしてあげる」と言って、
その悪者に一夜に一話お話(アラジンとかアリババの話)をして、
助けが来る迄の時間稼ぎをした……?
とかいう物語だったと思う。。。。

あの世に行った時、
「そのお金じゃ三途の川は渡れませんよ」とか
「地獄で酷い目にあわせてやる」等と言われるかもしれない……。
その際、千夜一夜物語のお姫様方式で
「ちょと待った!こんな土産話がありまして……」と
語ってみてはどうだろうか?
「お前の話は面白いから天国行きじゃ!」と
閻魔様に言われるかもしれない。
そうなると、
「そんな話は他でも聞いたぞ」と言われぬ様に、
自分のオリジナルのお話(経験した事)を
用意しておかないといけない。

もしや《冥土のみやげ》とは、
あの世で必要な《みやげ話》の事だったのかもしれない。

ホンに、
[自分の人生を生きる事が大切なのだ]。


《金の亡者》と言う言葉がある。
亡者とは死者の事だ。
この世で既にあの世の人になっている人。
でもムリも無いかもしれない。
「老後、二千万円は必要です」と言われてるんだから。
しかし、この世で亡者となってはもったいない。
そんなに急がなくても皆、あの世で亡者となるのだから。

……お金と経験を大切に……。

……それでは今日はこのへんで。
またブログでお会いしましょう✨
   夏の真昼

本日のBGM:ザ・フォーク・クルセダーズ帰って来たヨッパライ

ご意見、ご感想をお寄せください。

************

夏の真昼 著 ネット小説
『フーガ遁走曲~白薔薇婦人が愛した庭~』
https://natsunomahiru.hatenablog.com

1980年代の横浜を舞台にした物語。
ある家の庭に起きた奇妙な変化。
そして予想出来ぬ出来事と結末が……。

是非一度お読み下さい。