7段飾りと36色

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七段飾りと言えば《お雛様》。
36色と言えば《色えんぴつ》。

この二つは、
私が子供の時に憧れていた物です。
(私は昭和の子供)

女の子のお祭り《桃の節句》で飾る
お雛様ですが、
ガラスケースに入ったタイプと
雛壇飾りの物があります。

私が持っていたのは前者の方で、
ケースの中に
お内裏さまとお雛さま
そして一対のぼんぼりと
お雛さまの鏡台と箪笥
焼き物のフルーツ盛り合わせの飾りが
あったと記憶してます。

今思えば私のお雛様は
充分な物だとわかりますが、
子供の頃は
七段飾りのお雛様が
豪華に感じたのです。

七段飾りでは、
三人官女や五人囃しといった
いわゆる侍従的な人(?)達も
下段にましましています。

お輿入れの家具もずらりと並び、
緋毛せんはアカデミー賞
レッドカーペットに勝る感があります。

私は七段飾りの豪華な大所帯に
憧れましたが、
それほど執着しませんでした。

それは、それが飾られるのは年に一度、
ホンの数日間だけだからかもしれません。

それから中学生くらいの頃には
価値観が変わりました。
持っている雛人形をあげたいから
欲しい人を探しているという話を
聞き及んだ事がきっかけでした。

「誰か欲しい人にあげたい」のは、
『毎年出すのが大変』『保管が大変』
という理由でした。

それを聞いて気付かされ、
大いに同感しました。

お雛様は一年の殆どの時間を
納戸にしまわれています。
収納場所を取るワケです。

そして、お雛様は
《お節句が終わったら直ぐに片付ける》
という習わしがあります。
その上、
《早く片付けないと婚期が遅れる》という
呪いの様な言い伝えもあり、
雛人形を持つ者には大きなプレッシャーとなっているのです。

出し入れと収納を想像すると
七段飾りを持つのは
大変な事だなと思いました。

私の他にも、
かつては豪華七段飾りが欲しかったけれど
「ケースのタイプで良かった」と
感謝した女性達もいる事でしょう。
そして自分が女児の親や祖母となった時
「この子は七段飾りを欲しがるかも知れない。
だけど後にはこの雛人形の良さがきっと解る」
と思って、ケースのお雛様を選ぶかもしれません。

さて、今の私は
七段といえば《藤井聡太 棋士
《段》といえば《三段腹》が
直ぐに頭に浮かびます。

小学校入学時に揃えた文具に
《色鉛筆》があったと思いますが、
だけどあまり使った記憶はありません。

白地図に色を塗る時くらいだったでしょうか?
絵画では絵の具を使い、
色鉛筆は殆ど使わなかった様な……。

今ではそんな記憶しか無いのに、
小学校の中学年頃
色鉛筆に熱を入れた時期がありました。

入学時は12色だったか?
その後24色を買って貰ったのは
「色が足りない」からだったか?
12色では金色と銀色が無かったからと記憶。

しかし金銀を使う必要は無く、
発色も私のイメージと異なっていました。

だから
金なら黄色と黄土色、
銀ならねずみ色と白を
重ね塗りした方が『それらしく』なりました。

24色で充分も充分でしたが、
《色》に取り付かれていたというか
成長期の好奇心からでか、その後私は
36色の色鉛筆を買って貰いました。

それで新しい色はどんな色かと
シャカシャカ塗ってみました。

「あー、こういう色有ると便利」なんて
思った色も殆ど使いませんでした。

そして、気付いたのは
同系色のバリエーションが増えたけど、
《あんまり色は変わらない》
という事でした。

金色・銀色を重ね塗りで表現した様に、
色鉛筆とは重ね塗りの画材なのかも
しれません。

絵の具も
赤・青・黄色・白の4色で
大抵の色を作る事が出来るのワケで、
「4色の絵の具じゃピンクが無いわ」
などと憂う貴族には
「ピンクが無いなら赤と白を
混ぜればイイじゃない」と、
羽扇をあおぎながら気高く言ってあげましょう。

その後、
48色の色鉛筆が有るだの72色が出ただの
耳にした様な気もしますが、
色めく気持ちは無くなっておりました。

そして今は
「36色」と言われても
「えっ?36食?」と聞き返すであろう
色気より食い気の
ベテラン女子になりました。

……それでは今日はこのへんで。
またブログでお会いしましょう✨

   夏の真昼

本日のBGM:キャンディーズ春一番
       童謡『うれしいひなまつり』
       佐野元春『カム・シャイニング』

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小説『フーガ遁走曲~白薔薇婦人が愛した庭~』
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