ミッキーマウスの腕時計

f:id:ww77natsuno:20190715120035j:plain
子供の時、ミッキーマウスの腕時計を持っていた。
ミッキーの両腕が時計の長針と短針で、
時間の経過に伴い、
ミッキーの腕がぐるぐる回る物だった。

子供心に「何て良いアイデアなんだ」と思った。
ホンに “ 腕 ” 時計だ。

時計というのは、
時間という目に見えないものを可視化した
素晴らしい発明品だ。

腕時計、目覚まし時計、壁掛け時計
懐中時計、置き時計、時計台の時計……。
どれも面白いデザインの物がたくさん有る。

時計には、
その中に一つの宇宙が有る様なロマンを感じる。

TVで2、3度観たが、
ロシアのエルミタージュ美術館
大きな《からくり時計》が展示されている。
それは金色の孔雀の形をしていて、
1時間に1回、
その羽を広げて時を知らせる。
大きな羽を広げた様子は見事な美しさだ。

『何も時刻を告げるのに大袈裟な!』
と思うなかれ。
これらは時を知らせる為だけに有らずなのだ。


13才頃、鳩時計が欲しかった私は、
誕生日に伯母からプレゼントしてもらった。
重りが2個付いていて、
紐を下に引くと重りが上がる。
それによって中のゼンマイが巻かれる構造だ。
1時間に1回、窓が開いて中から
《ハト》が顔を出して「クックー」と鳴く。

《ハト》が出て来て鳴く様子はカワイイ。
1時には1回鳴き、2時には2回鳴く。
たくさん出てきて欲しくて、
時計の針を指で回して12に針を合わせる。
もはや時間はどうでも良い。

少し経つと興奮は収まり、
無理矢理ハトを出す様な遊びもしなくなった。
3時には3回鳴き、4時には4回鳴く。
正確に時が過ぎる。

時は留まらず、5時に5回、6時に6回鳴いた。

重りの付いた紐を引くと毎日
7時に7回、8時に8回、9時に9回鳴くが、
何時しかハトへの興味は薄れていった。

10時に10回、11時に11回鳴いてくれるが、
時々それが『うるさいな』と感じる様になった。

12時に12回鳴くのは
私が紐を引くからである。

ある時、私は、鳩時計の重りを取った。
それでハトは出て来なくなり、鳴きもしなくなった。
その後しばらくの間、家の形をした鳩時計は
私の部屋に飾られていたが、
何時だったか、壁から外した。


今、私が家で使っている時計は電波時計
年月日と曜日も表示される、
デジタル表記の目覚まし時計だ。

腕時計はせず、
外出時は携帯電話で時間をチェックしている。
携帯電話の時計は電波時計なので
正確な時刻を教えてくれる。

今、私が自分の時計に求めているのは
《正確な時刻》のみだが、
あの鳩時計の思い出は、ずっと残っている。


……それでは今日はこのへんで。
またブログでお会いしましょう✨
   夏の真昼

本日のBGM:ビル ヘイリー&ヒズ コメッツ
  『ロック・アラウンド・ザ・クロック』

ご意見、ご感想をお寄せください。

************

夏の真昼 著 小説
『フーガ遁走曲~白薔薇婦人が愛した庭~』
https://natsunomahiru.hatenablog.com
1980年代の横浜を舞台にした物語。
是非一度お読み下さい✨