雨の日は いい女
先人の言葉に
「夜目 遠目 笠の内」というのがある。
夜や遠くや傘で隠れたりして
人の顔がよく見えない。
つまりは、そんなシチュエーションだと
美人に見える。という条件の事だ。
体調がすぐれぬ時に合コンに出掛け、
はしゃげ無かった女性が
“ おとなしい人 ”と思われ、
「おしとやかな女性が好み」という男性から
好意を持たれた。なんていう話を聞いた事もある。
マイナス条件の下での、ポジティブ効果だ。
持続性は如何程か？ですが……。
単純な私は、天気に気分が左右される。
晴れているだけで幸せ、前向きモードになる。
逆に雨の日は気分ダウン。
昔は無かった《うつ病》なんていう病気が、今は有る。
単純な私は聞いただけで、ウツウツとしてしまう病名だ。
うつ病は「怠けているのでは？」と思われたり、
ひとから理解され難い病気でもある様だ。
(これについては
細川貂々(敬称略)のマンガエッセイ
「ツレがうつになりまして。」をお読み頂くのを
お勧めします)
産業革命めざましい時代のロンドンでは、
ウツウツとした天気(化学スモッグの影響も有)で、
落ち込む病気を患う人が多かったとか。
うつ病他、天気が病の要因という事を
言っているのでは無いけれど、
“ ストレス ” が体に与える悪影響は確かに有る。
雨で気分が冴えないというのも、ストレスである。
気分が冴えない時、
無理にハイテンションになる必要は無いでしょう。
無理は禁物。
だから今は、昭和のホームドラマの様に
「気分が冴えないなんて、怠け気分はダメよ。
ほら、きびきび動いて！」
なんて言って、肝っ玉母さんがダメ息子のお尻を叩いて……
というのも万事には通用しない。
ただ、ウツウツに引っ張られて
ストレスにやられるのも、これまた問題。
“ ウツ気分” と思うのも、
そっちに引っ張られる感じがする。
「ＸＸ病なんじゃない？ＸＸ病なんじゃない？」
と、繰返し言われて暗示にかかるが如くだ。
言葉の影響力は結構強い。
今は “ ウツ ” という言葉がメジャーになっているが、
その昔 “アンニュイ ” という言葉が流行った。
“ ちょっと気だるい感じ ” というニュアンスで、
女優の桃井かおり(敬称略)や、
モデルの小林麻美(敬称略)が、
アンニュイな女性の代表格だった。
つまりはアンニュイな女性イコール、
“ いい女 ” という事である。
「気分が冴えずにやる気が出ない」と言うと、
ゴロッと寝っ転び動かず、ポテチを食べてという様な
少々だらしないイメージだけど、
「アンニュイ気分」は、そうじゃない。
“ アンニュイ ” は、動きはゆっくりだが動くのだ。
その《ゆっくり動く》事が
《アンニュイの見せ場》とも言える。
ゆっくり動く事で、所作がエレガントに見える。
ちょっとミステリアスに見えるのかもしれない。
雰囲気のある女になるわけで、
そう、“ アンニュイ ” はオシャレなのである。
ファッショナブルな意味でのお洒落では無いが、
オシャレの演出の為にお洒落にも力を入れ、
女性らしいファッションに身を包んだ。
ロングヘアでソフトソバージュの
小林麻美は、まさにアイコンだった。
大正ロマン時代、
竹久夢二の絵に描かれた儚げな女性。
これも大正時代のいい女だった。
だが、これには不健康さの暗い影がある。
ゴホッゴホッと咳をして、
「あぁ、不治の病が……」なんて感じだ。
でも、これはアンニュイでは無い。
“ アンニュイ気分 ” は気だるくても､病気では無い。
あくまでも雰囲気を出しているだけだから。
“ アンニュイ ” は大人の女性向けの(中学生以上で良いかな)
やる気が出ない時の代行行為で、
子供男性にはちょっとそぐわない。
でも大丈夫！
チャイルド&ジェントルマンにお勧めなのは、
“ メランコリック ” です！
メランコリックは “ 物思いにふける ” というニュアンスがある。
インテリジェンスを含んだ憂鬱さである。
物静か……無口に決めていれば良いんです。
きっと周りからは、
「大人っぽ～い」とか「渋～い」なんて思われることでしょう。
さぁ老若男女の皆様、ウツウツ気分なんて、
アンニュイとメランコリックで吹き飛ばしましょう。
あっ！“アンニュイ” の似合う男性が一人いました！
元野球選手、桑田真澄(敬称略)の次男、Matt(敬称略)だ～‼
もっとＴＶに出て欲しいなぁ。
……それでは今日はこのへんで。
またブログでお会い致しましょう✨
夏の真昼
本日のＢＧＭ:小林麻美『雨音はショパンの調べ』桃井かおり『メイク２３秒』
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夏の真昼 著 小説
『フーガ 遁走曲～白薔薇婦人が愛した庭～』
https://natsunomahiru.hatenablog.com
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