童話の怖いお母様が本当は

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童話というと、
その字の如く子供向けのお話。

悪者も登場するけれど、
お話の最後は
「めでたし。めでたし」で締め括られ、
子供はそれで何となく納得させられている。

それが大人になってから
お話を思い返すと、
ツッコミ処があるモノが幾つか有る様な気もします。

そして、もう何年も前から、
「童話って本当は結構怖いものがある」って、
世間に広まってますよね。
そんな書籍も出ているし。

私の知る話では、当初
《童話の意地悪なまま母は、
 本当は実の母親だった》という事。

実母が子供に酷い仕打ちをするのは
余りにショッキングだからというので、
《まま母》にしたという事です。

子供の頃は、
童話やドラマで見聞きした事を
子供ながらのレベルで理解しているものです。

私が子供の時、
思い浮かべる《まま母》というのは、
大きく分けて2つ有りました。

1つは、
《まま子》を邪魔に思い、
《まま子イジメ》する《まま母》です。

まま子の父親(まま母にとっては夫)がいる時は
まま母は、まま子には優しく接しているので、
鈍感な父親は、
『自分は良い後妻をもらった』と思っている。

もう1つは、
《まま子に遠慮》している《まま母》です。
この場合は《まま子が根性悪》に描かれている場合が多い様です。
この場合の《まま母》は優しくて、
《まま子》を「○○ちゃん」「○○さん」と呼んで、
ちょっと距離を置いた感じが有るのです。

それで逆に実母というのは、
子供に遠慮は一切無し!

例えば『ドラえもん』の
のび太》のお母さんがそれですね。

機嫌が良い時は、
普段に比べて優しい事も有るけれど、
大抵は口やかましいし、
子供には甘い存在では無いものです。

小学校の3、4年生の頃だったでしょうか、
ある時、私は母と二人で
ちょっと街へお出かけしました。

何かを買う為とか、映画を観るとか、
食事をしに行く等の目的は全く無く、
繁華街をブラつくといった感じ。。。。

今で言うと、
休日なのに家に居ても退屈だから
ショッピングモールでも一寸行く?
という感じに近い。

こんな感じのお出かけだったのですが、
その時、ある店のアイスクリームの
ポスターが目に留まりました。

当時のアイスクリームの種類は
今と比べて断然少なく、
ジェラートなんて言葉も未だ輸入されてなかったです。

有ったのは
アイスクリームとソフトクリーム、
そしてシャーベットくらいでした。

種類はバニラが主流で、
チョコが出てきて、ストロベリーなんてのは
まあまあ歓喜しても良いくらいのレア度。
シャーベットはオレンジ味かメロン味くらいだったと記憶。

いや、実際の世間は
もっと進化していたのかも知れないけれど、
私の小さな世界としては、
そんな程度でした。

それで、そのポスターには、
それまで見たことの無い種類の
アイスクリームの写真が載っていたのです。

バニラでは無く、
もう少し黄色味が強いクリーム色で、
そこに緑や赤やオレンジ色の
固いゼリーの様な小さなチップが混ざっているモノでした。

アイスクリーム好きの私は
それに惹かれたので、
『食べたい』だか『買って』だか言って
母に買ってもらいました。

味を明確には覚えて無いけれど、
バニラとは違う初めての味。
カスタード系か?
正体不明の固いゼリーみたいな物も
未知の味だったけれど、
とても美味しかった。

それから又ちょっと経ったある休日、
私と母は同じ街に出掛けました。

それで、アイスクリームのポスターは
前回と同様の場所に貼ってあり、
私は『あ、売ってるな』
くらいに思ったと記憶してます。

前回と比べて、
それは一度味わった事が有るモノだったので
興味という感情は無くて、
有るのは
『美味しかったな』という思いと、
軽い感じの『また食べてもイイかも』と
いった程度に欲する気持ちでした。

その頃の私は、
何でも欲しがるワケでも無かったし、
欲求を押さえなければいけないと
思っていたワケでもありませんでした。

又母も買い物に対して、
厳しいワケでも無く、
甘いワケでもありませんでした。

だから例えば
「夕飯が食べられ無くなるからダメ」とか、
「この前買ったからダメ」という様な事も
別のシチュエーションで言われた事はありました。

それで私も、
『そうですね(そう言うと思ってましたよ)』と
納得するタイプというのか、
それは自分の家は、そんな生活状況と思っていたからなワケです。

母はいわゆる《のび太の母》タイプ、
と私は認識していました。

だから
2回目にアイスクリームをねだった時、
『今回は買ってもらえ無くても仕方ない』
という気持ちも私には有ったのです。

しかし2回目、
母はアイスクリームを買ってくれました。

それで私は
『あ、買ってくれた……優しい』と、
若干の驚きが入り混じった気持ちになりました。

アイスクリームは前回同様、美味しかったです。

そして
その頃何故度々その街に私達が行っていたのかは全く覚えて無いのですが、
又々その街へ私達はお出かけしました。

やはりアイスクリームのポスターは、ありました。

3回目となるその時、私は別に
そのアイスクリームを食べたかったワケではありませんでした。
ただ、
『今回は買ってくれるのかどうか?』という事に
興味が移っていました。

そして母は、今度も
そのアイスクリームを買ってくれました。

その時私は嬉しいというより、
『え!?買ってくれるの!?何故?毎回!?」
という驚きの方が勝った気持ちになりました。
不安感も出てきて
3度目のアイスクリームの味は……覚えて無いです。

それから果たして四度、
それは訪れました。
4回目、私が
そのアイスクリームをねだった時、
母は、、、、また、
買ってくれたのであります。

私は、
『何で買ってくれるのか!?
 まま母みたいに優しい!』と、怖くなりました。

アイスクリームは、
食べたかどうかも、覚えて無いです。。。。

その後、
私はそのアイスクリームを
ねだる事はしませんでした。


マザーグースにこんな唄があります。

《靴に住んでいる歳をとった女性
 子供がたくさんいるので、
 どうしてよいのか分からない。
 だから寝かせる前に、
 子供たちのお尻を叩く》

……という様な内容(数パターン有り)なのです。


……それでは今日はこのへんで。
またブログでお会いしましょう✨

   夏の真昼

本日のBGM:『ミスター・アンデルセン』TVアニメ「アンデルセン物語」のテーマソング
      作詞:井上やすし 作曲:宇野誠一郎


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